損害賠償請求について


損害賠償請求とは

 行為者の「行為」によって、損害「結果」が発生した場合、損害の公平な分担という観点から、行為者に対して、発生した損害の補填を求める請求が損害賠償請求です。

【具体的な例】

  • 交通事故
  • 不貞慰謝料・貞操権侵害
  • 医療過誤
  • 製品事故
  • 建築瑕疵・リフォーム瑕疵
  • 名誉毀損
  • プライバシー侵害
  • 学校事故
  • 介護事故
  • 喧嘩闘争・暴行傷害
  • スポーツ事故
  • ペットトラブル(動物占有者責任)
  • 知的財産権の侵害

損害賠償請求をするために必要なもの

 損害が発生したからといって、損害を生じさせた責任を行為者に帰属することができなければ、損害の補填を求めることはできません。あくまで、損害賠償請求は損害の公平な分担を図るための仕組みであるため、行為者が責任を負うべき相当な理由が必要となります。

STEP1 「行為」と「結果」の事実の存在について、証拠があること

 裁判は、前提となる事実の存在と法律上の主張、それを裏付ける証拠によって、原告の請求が法的に認められるか否かを判断します。そのため、まずは損害を発生させた原因である「行為」にかかる証拠と当該行為によって発生した「結果」にかかる証拠が必要となります。現実として、確かに「行為」と「結果」が存在しているという『事実』を証明できることが、損害賠償請求の第一歩となります。

 法律相談の場面では、往々にして「結果」についての証拠(例えば、診断書など)はあるものの、「行為」についての証拠(例えば、動画や音声)がないということが多くみられます。行為者に責任を負わせることができるか否かの判断を求める以上、「結果」だけでなく「行為」についての証拠も必要となりますので、証拠の確保を意識するようにしてください。

STEP2 行為者に「結果」を発生させた責任があること

 行為者に損害の発生について、何らの落ち度もない場合に発生した損害を補填する責任を負わせることは公平の観点に反することになります。そのため、結果を生じさせた「行為」について、行為者に故意(損害の発生を意図してわざと行為した)または過失(注意義務違反:相当な注意をすれば結果の発生を予見して回避することができたにも関わらず、必要な注意を怠った)が認められる必要があります。行為者が賠償責任を負うか否かの場面になるため、行為者自身が素直に責任を認めるケースは稀であり、裁判において大きな争点になる部分です。特に「過失の有無」は、従前の裁判例を検討した上で裁判官がどのような判断をするかを予測し、戦略的に訴訟遂行する必要があるため、弁護士の専門的な判断が不可欠となります。

STEP3 「行為」と「結果」の間に因果関係があること

 損害賠償請求のためには、「行為者の「行為」によって、損害「結果」が発生した」ということのできる因果関係が必要となります。「行為」とは無関係に「結果」が発生したといえる場合は、因果関係が否定されます。

 また、発生した損害「結果」のどの範囲までを行為者の責任とすることができるか、という賠償範囲の場面でも、相当因果関係の有無が判断されることになります。損害の補填は、相当因果関係を認められる限りで認められるというのが裁判実務の立場です。

結語

 損害賠償請求に関する法律上の条文は僅かであり、その解釈は過去の裁判例など裁判実務の判断に大きく依存しています。事件類型として、自分自身で対応することが難しい分野になりますので、損賠賠償請求を検討されている方は、まずは弁護士に相談して、証拠の不足がないか、どのような判決となる見通しであるか、賠償額がどれくらいになるかといった部分を確認された方がよいでしょう。

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